論点思考とは?【本当の問い】を見極めて『生産性』を上げる
こんにちは、KAIです。
プロ構成ライター、戦略コンサルタントをしています。
本記事で解決できる悩み

「1時間も考えたのに、1歩も前に進んでない」
「論点って重要らしいけど、どういう意味?」
「これ以上働くのはイヤ。でも収入は増やしたい」
大丈夫です。こんな悩みを解決します。
著者の略歴
これまで150を超える企業案件で、論理的な提案をしてきました。
知的生産性の高める方法がわかる
解くべき問いや仮説の立て方がわかる
※本記事は安宅和人著「ISSUE DRIVEN」を参考にしています。
※目次をクリックすると、該当箇所に移動します。
論点思考とは?
結論からお伝えします。
論点思考とは、「本当に解くべき問いを見極める思考法」のことです。
本当に解くべき問いを見極める思考法
知的労働において、生産性を上げるためには不可欠な思考法です。
若干ニュアンスが異なりますが、論点は「イシュー」とほぼ同義です。
「イシュー」は以下の記事で解説しています。
論理的思考とは?結論を導くプロセスを【徹底図説】
思考を整理するならロジックツリーが【最強】
考えると悩むの違い
論点思考の具体的な手順に入る前に、前提条件を理解しておきましょう。
そもそも、「考える」の定義を正しく理解していれば、論点思考は必要ありません。
「考える」と「悩む」は混同しがちです。
・考える:設定したゴールにたどり着くために、必要な問いを解くこと ・悩 む:ゴールを設定せずに、やみくもに考えを迷走させること
「考えているようで、単に悩んでいるだけだった」といった経験はだれもがしているのではないでしょうか?
10分考えても答えに向かって「前進」していないようなら、悩み沼にハマっている可能性が高いですね。
生産性とは
論点思考を身につけることで、生産性が何十倍にもアップします。
そもそも生産性とは効率のこと
生産性 = 成果 ÷ 費やした時間と労力
言い換えれば、インプットとアウトプットのバランスでしょう。

つまり「いかに効率的に成果を生み出したか」です。
バリューとは
ちなみに著書「ISSUE DRIVEN」では、価値ある成果のことを「バリューのある仕事」と表現しています。

論点思考によって『バリュー』のある仕事を生み出すには2つの手順が必要になります。
①論点を見極める
②結論の質を上げる
①が不十分なまま②の質をあげても、バリューのある仕事にはなりえません。
『バリュー』は「量は質に変わる」「労働時間でカバーする」という前時代のサラリーマンの働き方とは対極にあります。
論点思考のコツ①具体的な仮説
論点思考をするには2つのコツがあります
①具体的な仮説
Yes/Noで答えられる仮説を立てる
②具体的な言葉
主語と動詞を含む文章で表現する
それぞれ解説します。
Yes/Noで答えられる仮説を立てる
まず、Yes/Noで答えられる仮説を立てることで、結論への道筋がはっきりと浮かび上がります。
たとえば、2万円生活費を節約したい場合。
NG例:来月の生活費を節約するには、どうすればいいか?
OK例:来月の生活費を節約するには、食費を削るべきか?
まずNG例だと、この仮説の中に「答えへの糸口」が存在しませんね。
「どうすればいいか → どうしよう」となり、手詰まりです。
一方でOK例のようにYes/Noで答えられる仮説なら、次の問いが自然と生まれます。
・目標金額と現状の食費の割合から考えて、節約は現実的か?
・健康面、精神面への影響も含めて、来月以降も継続可能か?
そもそも食費が月に2万5千円なら、2万円節約して5千円に減らすのは現実的ではありませんね。
それに、食費を減らすことで体調を崩して他の出費が増えたり、ストレスが溜まって幸せでなくなったりすれば、元も子もありません。
A.食費を削ることで節約ができそう!
B.そもそも食費だけでなく、光熱費や通信費など他の出費も削るべき!
といずれかの結論にたどり着くことができます。
「具体と抽象」は以下の記事で解説しています。
具体化と抽象化の『真実』行き来しないと【無意味】
論点思考のコツ②具体的な言葉
つぎにすべきは『言語化』です。
頭の中で考えていることは、あくまで「脳内信号」レベルにすぎません。
自分や他人が知覚できる「言語」レベルに落とし込む必要があります。
「知覚と思考」は以下の記事で解説しています。
客観的な思考とは?他人が『評価』できるための【形容詞置換法】
(1)主語と動詞を入れる
とくに次の2つを意識して言語化することが、具体的な問いを立てる上では重要です。
1)主語と動詞を入れる
2)5W1Hに固有名詞を入れる
「だれが」「どうするのか」まで明記しましょう。
・日本語の特徴である主語の省略
・ビジネスにおいて誤解をうむ不明確な指示
を防いで、曖昧さをなくすためです。
「主語と動詞(述語)」は以下の記事で解説しています。
文章の書き方のコツとは【構成】は絶・対・条・件
文章が苦手なら『短く』すべき【書き方は2つだけ】
(2)5W1Hに固有名詞を入れる
5W1Hは情報の具体性をアップする上で、基本項目です。
5W1H | 抽象的な問い |
---|---|
Where | どこをめざすべきか? |
What | なにを行うべきか? |
How | どのようにするべきか? |
これではまだ表現が曖昧なので次のようにすべきです。
5W1H | 具体的な問い |
---|---|
Where | Aをめざすべきか? |
What | Aを行うべきか? |
How | Aのようにすべきか? |
「Yes/Noで答えられる」ように「5W1H」を活用しましょう。
「5W1H」は以下の記事で解説しています。
文章の書き方のコツとは【構成】は絶・対・条・件
3つの『不』をヤメレば【誰でも】わかりやすい文章が書ける
論点のイシュー度を判断する基準
冒頭で説明した「イシュー度が高いかどうか」によって、論点の「適性」が判断できます。
そのイシュー度の指標になるのが次の4つの基準です。
①結論への分岐点になる
②肌感の常識を否定する
③新しい法則性がある
④答えが出せる
順に解説します。
①結論への分岐点になる
この問いから導き出される答えによって、まったく別の結論に至るような論点ほど、イシュー度は高いといえます。
たとえば、ある緑茶のペットボトル飲料が売れなくて悩んでいる場合。
・緑茶に興味がある人が少ないのか?
・商品を知っている人が少ないのか?
・商品を販売している小売店が少ないのか?
・商品そのものの人気がないのか?
など、設定する問いとその答えによって、とるべき対策が大きく異なります。
より、本質的で、現象の要因に結びつくような問いを設定すべきです。
「本質的な思考法」は以下の記事で解説しています。
本質を見抜く3つの視点と思考法【VUCA時代をどう生きるのか】
②肌感の常識を否定する
いかにも「正しそうな定説や考えを疑う」ことで、抜本的な結論が生まれるケースがあります。
たとえば、次のようなケースです。
・家電は機能が多いほど便利である
・食事頻度は1日3回が適切である
・こまめに電源を切る方が節電効果が高い
(※上記はあくまで例です)
『パラダイムシフト』(思考や価値基準の変化)が起こるような、インパクトの大きい結論ほど、価値ある仕事と評価できるからです。
「考えを疑う思考法」は以下の記事で解説しています。
なぜなぜ思考で【脱!思考停止】そもそも『考える』って?
「メタ思考とは?絶対に気づくべき思考の癖【2つの思考法で改善】」
③新しい法則性がある
ある2つ以上の要素の間に、新しい関連性がうまれるような問いを立てることで、新しい法則性を発見できる可能性があります。
たとえば、次のようなケースです。
・国が豊かになるほど、エンゲル係数が下がる
・60歳までは年齢が上がるほど、生活の満足度が下がる
・人口は減っているのに、住宅数は増えている
※記事末に参考元リンクあり
ちなみに「関係性」にはいくつかのパターンがあります。
対称型
非対称型
集合型
法則性が発見できることで、深い理解や、結論の確信性が生まれますね。
「関係と構造」は以下の記事で解説しています。
「構造」は以下の記事で解説しています。
アナロジー思考とは?【最高に生産的なアイデアのパクリ方】
④答えが出せる
当たり前のようですが、「答えが出せること」は絶対条件です。
答えが出せない問いを追いかけることは、非生産的でしかありません。
答え出せる範囲内で、もっとも価値のある論点を設定しましょう。
【まとめ】論点思考で生産性をアップするために
論点思考とは、「本当に解くべき問いを見極める思考法」のことです。
本当に解くべき問いを見極める思考法
解くべき問いのことを「イシュー」ともいう
知的労働において、生産性を上げるためには不可欠な思考法です。
論点思考を身につけることで、生産性が何十倍にもアップします。
①結論への分岐点になる
②肌感の常識を否定する
③新しい法則性がある
④答えが出せる
イシュー度の高い問いを見極めて、生産性を高めましょう。
また、思考法を「体系的」に学べる『グロービス学び放題』もおすすめです。
「グロービス学び放題」は以下の記事で解説しています。
【キャンペーン情報も】グロービス学び放題の全体像【まとめ】
【口コミ30選まとめ】グロービス学び放題の評判ってどうなの?
動画学習サービス5選【徹底比較】グロービス学び放題はどんな人におすすめ?
【全6タイプを網羅】グロービス学び放題の料金プランの選び方【一覧表】

KAI
「以上です。お疲れ様でした!」
参考 「満足度・生活の質に関する調査に関する第1次報告書」内閣府 「日本の大手企業とエンゲル係数の意外な関係」東洋経済ONLINE 「平成30年住宅・土地統計調査」総務省