3つの『不』をヤメレば【誰でも】わかりやすい文章が書ける
こんにちは、KAIです。
プロ構成ライター、戦略コンサルタントをしています。
本記事で解決できる悩み

「もっとわかりやすい文章が書きたい」
「私の文章、クドイらしい」
「わかりやすい文章?わかりやすく説明してー」
大丈夫です。こんな悩みを解決します。
著者の略歴
コピーライター歴8年、フリーランス歴4年。
これまで150を超える企業案件で、文章原稿を作成してきました。
わかりやすい文章の3つのポイントがわかる
文章チェックリスト付きですぐに実践できる
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わかりやすい文章を書くには?
結論からお伝えします。
わかりやすい文章を書くためには、3つの「不」を避けましょう。
①不要
②不明
③不足
具体的には次のような書き方によってわかりやすい文章にしていきます。
①「不要」な言葉は省く
②「不明」な言葉は変える
③「不足」している言葉は補う
書き方を解説する前に「わかりやすい」の意味を定義しておきましょう。
「正しい文章」は以下の記事で解説しています。
正しい文章の書き方【必須8つ】とりあえずコレだけ!
「読みやすい文章」は以下の記事で解説しています。
読みやすい文章には『余白』がある【プチデザイン論】
WordPressでブログを始めるなら、デザインの『4大原則』を理解しよう!
「わかりやすい文章」とは?
そもそも「わかりやすい文章」の“わかりやすい”とはなんでしょうか。
意味を確認しておきます。
平易で、理解することが簡単である。
引用:「わかりやすい 」- 三省堂 大辞林 第三版 weblio辞書
つまり『わかりやすい』には2つの意味があります。
①平易である
②理解しやすい
ちなみに冒頭の3つの「不」を避ける文章はこの2つの条件を満たしていますよ。
わかりやすい文章の書き方 | わかりやすいの意味 |
---|---|
①「不要」な言葉は省く | 平易な文章 |
②「不明」な言葉は変更する | 理解しやすい文章 |
③「不足」している言葉は補う |
それでは具体的な方法を解説します。
「文章の基本」は以下の記事で解説しています。
文章【書き方の基本ベスト5】全部できてますか?
正しい文章の書き方【必須8つ】とりあえずコレだけ!
わかりやすい文章を書く方法①不要な言葉は省く

わかりやすい文章を書くポイント1つ目は「不要な言葉を省く」です。
不要な言葉は大きく2つに分けられます。
①重複
②無意味
それぞれ解説します。
不要な言葉①意味の重複
「重複」する言葉には、3つのタイプがあります。
①重複
・意味の重複
・否定の重複
・敬語の重複
まず「意味が重複」する言葉は、省きましょう。
例)彼のプロポーズは、彼女の心を感動させた。
改)彼のプロポーズは、彼女を感動させた。
感動するのは心なので、「心」は言わなくても伝わりますね。
・頭痛が痛い
・馬から落馬
・各担当者ごと
不要な言葉②否定の重複
また、否定の重複(否定を否定で打ち消す)は避けましょう。
否定 × 否定=肯定
はじめから「肯定形」で伝えることで、わかりやすくなりますよ。
例)こどもでも楽しめないわけではない。
改)こどもでも楽しめます。
いわゆる「二重否定」は冗長(じょうちょう)な表現なので、ビジネスではNGです。
ただし、文学的な文章なら「強調」の効果があることを補足しておきます。
やまない雨はない
予算内にできないわけではない
不要な言葉③敬語の重複
最後は敬語の重複です。
特に最近はビジネスコミュニケーションで「敬語の重複」が目立ちますね。
例)ご意見、拝見させていただきます。
改)ご意見、拝見します。
まず、「拝見」は「見る」の謙譲語です。
そこに「させていただく」=「させてもらう」の謙譲語を重ねているため、敬語がダブってしまっています。
敬語の使い方に自信がないからといって、「大は小を兼ねる」的に使っていませんか?
過度ではなく「適度」に言葉を使いましょう。
不要な言葉②無意味

少し全体像がぼやけたので再度掲載します。
まず本記事のテーマ「わかりやすいの書き方」は次の通りです。
①「不要」な言葉は省く
②「不明」な言葉は変える
③「不足」している言葉は補う
その中で①「不要」な言葉は省くには2つの方法があります。
①重複
・意味の重複
・否定の重複
・敬語の重複
②無意味
・形式だけの言葉
・当たり前の言葉
すでに「①重複」は解説したので、「②無意味」に進みます。
・形式だけの言葉
・当たり前の言葉
無意味な言葉①形式だけの言葉
まずは、無意味な言葉の代表が、「形式」だけの言葉です。
形式だけで意味のない「空っぽの言葉」はわかりやすさを妨げるだけなので省きます。
例)仕事においては効率的に修正対応することができるかが重要だ。
改)仕事では効率的に修正対応できるかが重要だ。
ついつい次のようなフレーズを癖で使っていませんか?
形式だけの言葉 | 完結な言葉 |
---|---|
においては に関しては については ということは |
では には とは は |
また、「することができる」も頻出しますね。
簡潔に「できる」としましょう。
無意味な言葉①当たり前の言葉
もうひとつの、無意味な言葉は、「当たり前」の言葉です。
当たり前の言葉とは、「みんな知っている」「言わなくてもわかる」といった、わざわざ書く必要のない内容です。
例)給食センターではこどもたちに美味しい給食を提供しています。
例)弊社の社会的使命は、人々の幸せに貢献することです。
例)わたしたちA医院の目的は、患者さんの健康を助けることです。
すべて当たり前のことですね。
読み手に伝えるべきは、「方法」や「理由」など具体的に中身のある情報です。
「文章の中身」は以下の記事で解説しています。
「文章力」より「中身」がない?【2タイプから診断】
文章力が高い人は【五感】で伝える
わかりやすい文章を書く方法②不明な言葉は変える

わかりやすい文章を書くポイントの2つ目は「不明な言葉は変える」です。
①「不要」な言葉は省く
②「不明」な言葉は変える
③「不足」している言葉は補う
避けるべき「不要な言葉」には3つのタイプがあります。
◆不要な言葉
・専門用語
・係受け
・代名詞
順に解説します。
不明な言葉①専門用語
ついつい使いたくなるのが「専門用語」ですね。
・専門用語
・係受け
・代名詞
ただ、冷静に考えるとわかりますが、専門的な知識を知りたい人の多くは専門家ではありません。
意味を知らない言葉は、相手の理解をストップさせるため避けましょう。
例)このPCがおすすめ。CPUが従来の1.5倍、メモリが2倍だよ。
改)このPCがおすすめ。4Kの動画編集をしてもサクサク動くよ。
「専門用語」はとくに業界に長くいる人や、リテラシーの高い人が使いがちです。
英語が話せない人に英語で話しているのと同じように、どれだけ素晴らしい知識も、まさに意味不明です。
難しいことをわかりやすく説明できる「池上彰」さんのような人に、本当の知性を感じませんか?
「理解のメカニズム」は以下の記事で解説しています。
アナロジー思考とは?【最高に生産的なアイデアのパクリ方】
具体化と抽象化の『真実』行き来しないと【無意味】
不明な言葉②係受け
あまり耳馴染みがないかもしれませんが、「係受け」にも注意が必要です。
・専門用語
・係受け
・代名詞
係受けには「修飾語と被修飾語」と「主語と述語」があります。
まずは「修飾語と被修飾語」について解説します。
例)きれいな水玉模様の傘を買った
改)傘を買いました。水玉模様がきれいです。
例文では「きれいな」が「水玉模様」と「傘」どちらにつながっているか不明ですね。
わかりやすくするには、改善案のように文章を2つに分けましょう。
修飾する側とされる側が1対1になるので、意味が明確になります。
さらに「主語が2つ以上」ある場合も同様です。
文章の中に文章が入っている、いわゆる「入れ子構造」になると意味が不明瞭になります。
例)私は彼が運転する車で会社に向かった。
改)私は車で会社に向かった。彼が車を運転した。
「複文」とも呼ばれます。
不明な言葉③代名詞
最後が代名詞です。
・専門用語
・係受け
・代名詞
名詞など2つ以上の対象がある場合、代名詞を使うと、どのことを指しているのかが不明確になります。
例)会議と会食の件、承知しました。その件ですが、時間はどうしますか?
改)会議と会食の件、承知しました。会議の件ですが、時間はどうしますか?
代名詞「その」が、指すのが「会議」なのか「会食」なのかが不明確ですね。
そもそも代名詞を使って得られるものは、ありません。
対象が1つだとしても「代名詞は使わない」癖をつけましょう。
「情報が明瞭になる箇条書き」は以下の記事で解説しています。
文章が苦手なら『短く』すべき【書き方は2つだけ】
論理的な文章の書き方【重要】なのは伝える順番
わかりやすい文章を書く方法③不足している言葉は補う

わかりやすい文章を書く方法、3つ目は「不足している言葉を補う」です。
①「不要」な言葉は省く
②「不明」な言葉は変える
③「不足」している言葉は補う
言葉が不足していないか、文章を書き終えたらチェックしましょう。
不足しがちな言葉は2つです。
・主語
・5W1H
最後なのでがんばっていきましょう。
不足しがちな言葉①主語
英語と違い、日本語は「主語」を省略する特性があります。
例)月曜に進捗報告をする流れでいかがですか?
改)月曜に私が進捗報告をする流れでいかがですか?
進捗報告をするのは「わたし」と「相手」どちらの可能性もありますね。
こういった曖昧な表現はビジネスコミュニケーションでは避けましょう。
経緯を知らない「第三者が読んでも意味がわかるかどうか」を目安にしましょう。
「情報整理のヌケモレ」は以下の記事で解説しています。
本質を見抜く3つの視点と思考法【VUCA時代をあなたはどう生きるのか】
思考が浅い人こそ『MECE』で考えるべき【深さも幅も大事】
不足しがちな言葉②5W1H
不足しがちな言葉を防ぐには「5W1H」に着目すると効果的です。
・主語
・5W1H
わかりやすさに影響を当たえるのが「具体性」です。
特に「5W1H」がない抽象的な文章は情報の密度が低く、機能しません。
例)渋谷に5時で。
改)渋谷駅西口前にあるスタバに5時集合で。そこから友達と一緒に車で移動します。
改善案のように、what/how/when/where/whoをできるだけ具体的に伝えるほど、無駄な「確認」や「推測」がなくなりますね。
相手にとって親切な文章を書くことも、わかりやすい文章の目安になりますね。
「5W1H」は以下の記事で解説しています。
客観的な思考とは?他人が『評価』できるための【形容詞置換法】
論点思考とは?【本当に解くべき問い】を見極めて『生産性』を上げる
文章の書き方のコツとは【構成】は絶・対・条・件
わかりやすい文章を書く方法:まとめ

かなり情報量が多かったので、おさらいします。
「わかりやすい文章」には2つの意味があります。
①平易である
②理解しやすい
わかりやすい文章を書くために避けるべき3つの「不」は次のように理解しましょう。
①不要な言葉は省く
●重複
- 意味の重複
- 否定の重複
- 敬語の重複
●無意味
- 形式だけの言葉
- 当たり前の言葉
②不明な言葉は変える
●専門用語
●係受け
– 修飾語と被修飾語
– 主語と述語
●代名詞
③不足している言葉は補う
●主語
●5W1H
わかりやすい文章を書くためのチェックリスト
チェックリストもお役立てください。
□ 意味は重複していませんか?
□ 否定は重複していませんか?
□ 敬語は重複していませんか?
□ 形式だけの言葉を使ってませんか?
□ 当たり前の言葉を書いてませんか?
□ 専門用語は使ってませんか?
□ 主語と述語のつながりは明確ですか?
□ 修飾語と被修飾語のつながりは明確ですか?
□ 代名詞を使ってませんか?
□ 主語は不足してませんか?
□ 5W1Hは不足してませんか?
冗長(じょうちょう)な文章かどうかは書いている最中に気づきにくいため、しっかりと校正する癖をつけましょう。
「校正」は以下の記事で解説しています。
【文賢か、文賢以外か】文章作成アドバイスツール【価格・性能・評判】
文章の質を上げる3つの方法【校正・校閲・推敲】仕事の質もアップ!

KAI
「以上です。お疲れ様でした!」
参考
「で、何が言いたいの?と思われる文章に共通するNG集」 – DIAMOND ONLINE