論理的な文章の書き方【重要】なのは伝える順番

文章の書き方

こんにちは、KAIです。

プロ構成ライター、戦略コンサルタントをしています。

本記事で解決できる悩み

悩める人

「論理的な文章を書きたい!」
「筋通ってませんか?どこがダメですか?」
「論理ってそもそもなに?」

大丈夫です。こんな悩みを解決します。

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コピーライター歴8年、フリーランス歴4年。
これまで150を超える企業案件で、文章原稿を作成してきました。

記事を読むと

論理展開の4つのタイプがわかる
よくある論理の欠陥が具体的にわかる

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論理的な文章の書き方とは?

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結論からお伝えします。

論理的な文章にするには、「伝える順番」を整理すべきです。

論理的な文章になる順番には3つの型があります。

論理的な文章の型

①比較の順(A>B>C)
②構造の順(走る→曲がる→止まる)
③演繹の順(大前提→小前提→結論)

具体的な解説に入る前に、「論理がなぜ必要なのか」を再認識しておきましょう。

「論理的な思考法」は以下の記事で解説しています。
論理的思考とは?結論を導くプロセスを【徹底図説】
論理的に考えるには?【因果関係】を見つけよう!

論理が必要な理由。自分の結論を、相手の結論にするため

論理が必要な理由は、相手の理解を助けるためです。

つまり「論理的な文章」とは、相手が理解しやすいように、情報を整理して順序立てて伝える文章のことです。

論理的な文章とは

相手が理解しやすいように、情報を整理して順序立てて伝える文章

あなたが結論にたどり着いたのと同じ道筋を、相手にも辿ってもらいましょう。

論理は「思考の再現」だともいえます。

論理的な文章を書く手順

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それでは具体的に論理的な文章がどのような順番で書かれているかを解説します。

論理の順番

①比較の順(A>B>C)
②構造の順(走る→曲がる→止まる)
③演繹の順(大前提→小前提→結論)

順に解説します。

①比較の順

まず「比較の順」です

「比較」は意図が明確で相手も判断しやすいため、親切な伝え方でしょう。

たとえば、図のように「重要度」と「緊急度」とを組み合わせて優先度を整理した説明の場合。

論理的な文章の書き方

ちなみにコンサルタントは「情報整理」や「提案説明」で、このような4マスのマトリクスを多用しますよ。

「情報を整理する方法」は以下の記事で解説しています。
思考が浅い人こそ『MECE』で考えるべき【深さも幅も大事】

②-1.構造の順

次は「構造の順」です。

全体構成を説明するために部分に分ける場合や、工程を部分に分ける「プロセス」などがそうです。

たとえば、自転車の機能を説明する場合、次の3つの部分に分けて説明すると伝わりやすいでしょう。

①走る
②曲がる
③止まる

「構造の順」で説明するには、『MECE』が必要です。

MECEとは

「モレなくダブりなく」という意味
論理的な思考をする際に欠かせない条件

よくヌケモレを指摘される方は、「MECE」を意識すると大きく改善しますよ。

「MECE」は以下の記事で解説しています。
思考が浅い人こそ『MECE』で考えるべき【深さも幅も大事】

②-2.時間の順

ちなみに構造の順のひとつでよく使うのが「時系列」です。

たとえば、過去→現在→未来ですね。

①以前は、自転車のメカニックをしていました。
②現在は、自動車のメカニックをしています。
③将来は、飛行機のメカニックになりたいと思っています。

時間の流れにそった説明は自然に理解できますね。

「構造」は以下の記事で詳しく解説しています。
アナロジー思考とは?【最高に生産的なアイデアのパクリ方】

③演繹の順

もっとも聞き慣れない言葉が「演繹」(えんえき)だと思います。

『演繹法』とは、事実や法則、ルールなどの大前提を明確にして結論を出す方法です。

演繹法の構成要素

①大前提
②小前提
③結論

論理的な文章の書き方

一見むずかしそうですが、じつは日常的に使っています。

論理構造 例文
①大前提 ポリフェノールには抗酸化作用がある。
②小前提 ワインにはポリフェノールが豊富に含まれている。
③結 論 ワインには抗酸化作用がある。

当たり前のように感じるかもしれませんが、これも論理的な文章のひとつです。

繰り返しになりますが、演繹法のポイントは「事実や法則、ルールなどの大前提を明確にして」の部分です。

演繹法のポイント

事実や法則、ルールなどの大前提を明確にして結論を出す

その理由は次章で具体的に説明します。

「演繹的思考法」は以下の記事で解説しています。
【わかりやすく図解】帰納的思考と演繹的思考って結局なんなの?

論理的じゃない?残念な文章によくある3つの特徴

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ここからは論理的に文章を書くうえで、陥りがちなミスを紹介します。

論理の順番

①比較の順(A>B>C)
②構造の順(走る→曲がる→止まる)
③演繹の順(大前提→小前提→結論)

3つの「論理の順序」のうちで、もっとも論理構造がデリケートな演繹法について詳しく解説していきます。

「論理的な文章構造」は以下の記事で解説しています。
説得力のある文章を書くには?【根拠が最強】

具体例で学ぶ残念な文章の特徴

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演繹法が崩壊するパターンは以下の3つです。

演繹法が崩壊するパターン

①大前提が間違っている
②大前提を省略している
③結論が飛躍している

それでは順に解説します。

①大前提が間違っている

演繹法を演繹法たらしめているのは、大前提の存在です。

演繹法の復習しましょう。

演繹法とは、「事実や法則、ルールなどの大前提を明確にして」結論を出す方法です。

演繹法の構成要素

①大前提
②小前提
③結論

少しわかりやすくします。
論理的な文章の書き方

文章の論理構造として、大前提に間違いがあるとと全体の論理が崩壊します。

①英語が話せない人ほど、収入が低い。
②私は英語が話せない。
③私の収入が低いのは、英語が話せないからだ。

この例文を読めば、今すぐ英会話スクールに入会する必要性を感じる人のいるのではないでしょうか。

しかし①を冷静に捉えてみましょう。

①英語が話せない = 収入が低い

これは「傾向」としてデータがあるかもしれませんね。

②は事実なので変えようがありませんが、その結論である③はどうしょうか?

私は収入が低い(なぜなら)英語が話せないからだ

もちろん可能性のひとつにはなります。

ただし、収入を低くする要因は、他にもたくさん考えられます。

◆その他の可能性
・収入が低いのは → 若いからだ
・収入が低いのは → 平社員だから
・収入が低いのは → 思考力が弱いから
・収入が低いのは → 交渉力が低いから
・収入が低いのは → 遅刻が多いから

つまり「英語が話せない」と「収入が低い」に因果関係があるとは言い切れません

大前提が間違っていると、架空の論理をでっちあげることになるので、注意しましょう。

「因果関係」は以下の記事で解説しています。
論理的に考えるには?【因果関係】を見つけよう!
論点思考とは?【本当に解くべき問い】を見極めて『生産性』を上げる

②大前提を省略している

2つ目は大前提を省略してしまうケースです。

演繹法が崩壊するパターン

①大前提が間違っている
②大前提を省略している
③結論が飛躍している

演繹法で扱う大前提は、いわゆる「当たり前」「常識」レベルのものも多くあります。

再掲します。

演繹法の構成要素

①大前提
②小前提
③結論

たとえば赤信号の場合。

①赤信号の時は止まらないといけない
②いま目の前の信号が赤だ
③だから止まりなさい

①〜③すべてが揃ってはじめて論理が成立します。

たとえば5歳のこどもが相手なら、①から③まですべて説明するでしょう。

しかし、大人が相手ならどうですか?

②いま目の前の信号が赤だ
③だから止まりなさい

①の大前提は当たり前だと判断して、省略することがありますね。

しかし、人によって大前提は異なります。

相手と「大前提を共有」することからはじめましょう。

③結論が飛躍している

さいごは「論理の飛躍」です。

演繹法が崩壊するパターン

①大前提が間違っている
②大前提を省略している
③結論が飛躍している

前提から結論までの間で、道が途切れてしまったケースです。

《NG例》
①会社として成長し続けるには、チームワークが必要だ。
②みんなの力を合わせるために、営業成績を公開しよう。
③そうすれば、個々の成長意欲も高まるはずだ。

NG例では①から②へ、②から③へと、もっともな正論が並んでいます。

しかし、最終的に落ち着いた結論は「チームワークの作り方」ではなく、「個々の成長意欲」に飛躍していますね。

《OK例》
①会社として成長し続けるには、チームワークが必要だ。
②チームワークをあげるには、個々の成長意欲が必要だ。
③ここの成長意欲を高めることで、会社を成長させよう。

論理は情報を整理するためのツールです。

演繹法の構成要素

①大前提
②小前提
③結論

①〜③の順に、ひとつひとつの論理構造を着実に確認しましょう。

まとめ:論理的な文章を書くには

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論理的な文章にするには、伝える「順番」を整理しましょう。

論理的な文章になる順番には3つの型があります。

論理の順番

①比較の順(A>B>C)
②構造の順(走る→曲がる→止まる)
③演繹の順(大前提→小前提→結論)

論理は結論にたどりつくための1本道です。

特に演繹法の場合どこか1カ所に問題があると、全体の論理が崩壊します。

演繹法が崩壊するパターン

①大前提が間違っている
②大前提を省略している
③結論が飛躍している

論理的な文章を書くうえで3つのパターンに陥ってないかチェックする癖をつけましょう。

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